避難区域除染で堆積物を放置!?

避難区域除染で堆積物を放置!?

 9月号の情報ファインダーで「除染のあり方を環境省に問う住民」という記事を掲載した。内容は次のようなもの。

 浪江町に土地・建物を持つAさん(住まいは浪江町ではないが、帰還困難区域の住民で、同町内に不動産を有している。実際の名義人はAさんではなくその家族)が、「自身の所有地周辺で不適切な除染が行われていた」として環境省と話し合いを行っているという。

 具体的には、Aさんの所有地の隣が竹林になっており、そこは別の所有者の土地だが、自身の敷地から覗き込むと、堆積物が放置されているのが目に付いた。Aさんの所有地の竹林と面する側は、かなり放射線量が高いため、環境省に「不適切除染ではないのか」、「何とかしてほしい」と求めているのだという。

 もしかしたら、竹林の所有者が「この部分(堆積物がある場所)はそのままにしておいてほしい」と依頼した可能性もあるため、それだけで「不適切除染」と断定することはできない。

 ただ、Aさんからしたら、「せっかく自身の敷地を除染してもらっても、隣接地がそんな状況では意味がない」として、環境省に説明・対応を求めているようだ。

Aさん所有地の隣の竹林に放置された堆積物(環境省がAさんに提出した資料より)

 この間、Aさんは環境省と文書や直接の面談で説明・対応などを求めてきたが、前号の記事掲載時点では、「まだ最終的な報告や、こう対応しますということは示されていない」とのことだった。

 その後、8月30日付で環境省から回答があった。

 内容は以下のようなもの。

 ○除染業者にヒアリングを行ったところ、森林除染において、残置物があった場合、一般的な片付け等は実施せず、残置物の上の堆積物を除去しているが、作業上支障となるものについては企業努力により集積することもある。

 ○本件の除染では、残置物の上の堆積物をそのままの状態で除去し、あるいは残置物を移動して堆積物を除去していたと考えられる。

 ○事業者に確認したところ、竹や残置物が残された状態でも、適正な除染は実施されていると推察されるとの回答だった。一方で、当時の施工記録が十分に残されていない(※除染が行われたのは2013年度)中で、本件の除染が適正に実施されたという確証もないと認識している。

 ○明確な不適正除染が行われたと判断するには至らないが、今回(Aさんから)指摘があったことを踏まえ、信頼性のある施工管理、適正な除染の実施に努めていく。

 「当時の施工記録が十分に残されていない中、本件の除染が適正に実施されたという確証がない」としつつ、「明確な不適正除染が行われたと判断するには至らない」との回答にAさんは納得していない。

 Aさんと直接やり取りをした環境省福島地方環境事務所の担当者は「個人情報もありますので、個別の案件についてはコメントを控えさせてください」とのことだった。

 Aさんは「これから、帰還困難区域(特定帰還居住区域)の除染が行われることになると思うが、そういった不備がある除染が行われるようでは意味がない。そうした点からも、環境省には形式的なものでなく、意味のある除染をしてもらいたい。私自身の問題についても、納得いくまで環境省と協議したいと思っている」と話した。

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